大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)2324 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人栗本稔及び被告人本人の各上告趣意(後記)について。

論旨はいずれも事実誤認若しくは量刑不当の主張で、刑訴四〇五条の上告理由に

当らない。

弁護人加藤行吉、同栗本稔の上告趣意(後記)第一点について。

記録に基ずき、第一審判決挙示の諸証拠を判示事実と対照しつゝ仔細に検討する

に、これら証拠を綜合すると判示事実を優に認定することができ、その間所論の如

く、論理の法則又は実験則に反するものと認むべき点はない。所論引用の当裁判所

昭和二五年(あ)第四七七号の判例は、原判決の証拠説明(単に証拠の標目のみ列

記)が数個の独立した事実の認定に、その採用した証拠の区別を示さず漫然羅列し

たのは東京高等裁判所昭和二四年(を)新第一〇三一号の判例に反する判断をした

違法があるとの論旨に対し、原判決が犯罪事実を認定するにあたり、証拠の標目を

一括して挙示したからといつて、たゞそれだけでは、その判決は、かゝる場合の証

拠説明の仕方に関し、何等法律上の判断見解を示したものとはいえないとして、論

旨を判例違反の上告理由としては不適法であるとして排斥したものであつて、本件

に適切なものではない。しかも数個の犯罪事実について数多の証拠の標目を一括し

て掲げて説明しても、判文と記録とを照らし合せて見て、どの証拠でどの事実を認

めたかが明白である限り、違法でないことは当裁判所昭和二五年(あ)第一〇六八

号同年九月一九日第三小法廷判決の判示するとおりであるから(前記東京高等裁判

所の判例は右当裁判所の判例により変更されたものである)、原判決には、所論の

如き判例違反はないのである。論旨は採用するを得ない。

同第二点について。

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論旨は、結局原審の事実認定に関する非難を前提とする判例違反の主張であるが、

論旨第一点について説明した如く、本件犯罪事実の認定には、所論の如き実験則違

反等のかどはないのであるから、論旨は前提を欠き採用するを得ない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用して原判決を破棄すべきものとは認めら

れない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二八年四月一四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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